HCI2020

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マイクロソフトリサーチ(MSR Cambridge)が主宰する HCI2020 に参加するためにスペインのセビリアに来ている。

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会場となったのはセビリア郊外のリゾートホテルで、昔の貴族の館を改装した感じの素敵な場所。最先端料理で世界的に注目されているelBulliの所有とか。45名がMSRから招待されて集まってきている。日本人は私ひとりだけだった。

普通の学会とは全く異なって、少人数グループに分かれてディスカッションしたり、ポストイットに意見を書いて貼りまくったり、バンケットやブレイクで喧々囂々やりあったり、となかなかエキサイティングである。すごいスピードで皆わーわーしゃべるので、議論にすべてついていけているかは自信がないが、とにかく貴重な経験をさせてもらっている。


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human computer interactionの未来について議論しているわけだが、話題としては「自然言語」とか「タンジブル」みたいな、いわゆるUIプロパーなものは意外に少なくて、(ubicompの延長としての)「都市」や「環境」みたいなところまでHCIとして意識すべき、といった感じの話が結構出てきているし、私自身もそっちの方向をプッシュしている。ユーザとコンピュータの間にスタティックな「界面」がある、という発想では現在から未来にかけての人間・コンピュータ・実世界系を理解することは到底できない。「系」と書いたが、まさに全体をシステムとして考える発想が重要である、などなど。

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驚くべきは、この会議の全参加者の旅費宿泊費食費等すべてをマイクロソフトがスポンサードしていることだ。昨年もSCIENCE2020という同趣旨の会議を主宰しているのだが、どう少なめに見積もっても数千万円単位の予算が組まれているはずだ。マイクロソフトの懐の深さというか底知れない「お金持ちさ」にあらためて感じ入る。この規模の予算で会議を組むと、日本的な発想だと単に豪華で盛大な「催し物」をやろうということになりがちなのだが、今回のは本当に議論の場を提供するのにお金を出します、ということらしい。もちろん議論の内容はすべてオープンで、NDAにサインしたり、ということも一切ない。一応会議の内容をまとめたブックレットを出すようではある。

ディナーもランチもelBulliレシピなので感動ものなのだが、これはまたあとで。

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