CHI2007 一日目
ヒューマンインタフェースの国際学会、CHI2007 のためSan Joseに来ています。
賞を頂く
まず私ごとですがCHI Academyというのに選出されました。これで、いちおう国際的なお墨付きをもらえたようなので、今後は現状に甘んずることなくもっとチャレンジングなことをせねばと自戒する。
Bill Moggridgeのキーノート
Intuitive Design に関して。近著 "Designing Interactions" からの映像・インタビュー多数。DIは2002-3年ごろのインタビューが多いので例がちょっと古い感じもした。たとえばi-modeでバーコードを呼び出してコーラを買うのにUIが複雑なため手こずっている例など。いまだとSuicaで解決済みなので日本人からすると奇妙な感じがした。バーコードを携帯に表示させるUIをどんなに改善しても、Suicaを差し出すだけで買えてしまうインタフェースを凌駕することはないだろう。だとするとインタラクションデザインの役目<<<越えられない壁<<<技術革新 ということになってしまわないのだろうか(トークにはSuicaの話は出てこなかったのだが)。
1日目の論文
あまり面白いのに出会えなかった。Microsoft Researchの"SenseCamによって本当に記憶は補助されるのか?" (Do Life-Logging Technologies Support Memory for the Past?) に期待していたのだが、一応記憶はエンハンスされるという結論だが色々留保がついていてあまりすっきりしない。そもそも何をもって記憶の補助とするのか、というところでコンセンサスが取れていないのではないか。キーワードとしての"Second Brain"には魅力を感じる。第二脳と現状の技術のギャップをちゃんと掘り下げてみる必要があると思った。