Arpege


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パリは13日夜からRATP(メトロ、バス等)のストライキに突入なのだが、そんな最中 Arpegeに行ってきた。週前半だからか、あるいはストライキのせいかわからないが、前日にダメ元で電話したらあっさり予約できてしまったので。Taileventが二つ星に転落したりと動きの激しいミシュランの評価だが、ここは三つ星の座をキープしている。ふむふむ野菜料理が有名なのか、などとインターネットで予習してスト突入直前のメトロで現地に向かう。場所はアンバリッドの近く、ロダン美術館の向かいでとてもわかりやすいところ。パリの三つ星では唯一ここだけがセーヌ川左岸にある。

フロアは地階と地下になっていて、テーブルとテーブルの間隔はかなり狭い。

以下が食べたものです。これ以外に、メニューを見ているときなどに小さな野菜のタルトがスナックとして何回もサービスされた。



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アミューズ:卵にビネガーソースをかけたもの。最初はソースだけでフワフワの食感を味わって、あとで卵と混ぜて楽しめる。

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前菜は2品とってそれぞれ半分に分けてもらってます。これはトマトのガスパチョに辛子アイスクリーム。トマト色に見えないけどトマトの濃厚な香りと、アイスクリームは本当にマスタードが効いていてちゃんと「辛い」。不思議な組み合わせだけと確かに今まで食べたことはない感覚だ。

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これは前菜2皿目でホウレンソウとゴマ。ホウレンソウはビネガーがはいっていて甘酸っぱい。日本料理的味わいにも感じられるが、ホウレンソウそのものはしっかりしているし野菜としての味が濃い。

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これはプラ(主菜)で鳩。蜂蜜を使ったソースなのでこれも甘めの味付け。血や内臓を使っているソースがかなり複雑な味で、味噌を連想させる。最後は指をべとべとにして手づかみで。

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これは相方のプラでオマール。写真だと手長海老みたいにみえる不思議な切り方だ。まわりにあるのはシュー(キャベツ)。

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デセールのミルフォイユ。「大きいので二人で分けたほうがいいです」といわれてシェアしている(写真のが半分のサイズ)。超サクサクで超軽い。これは未体験の感覚。

全体的には甘みや酸味を効かせた味わいが斬新だった。誤解される表現かもしれないが「日本人が好きそうな味」かも知れない。同時に、他では絶対に食べられないオリジナルな料理を創ろうというすさまじいまでの執念を感じる。一方、店全体の風格とか空間の余裕とかを考慮すると、三つ星レストランだという意気込みで行くと拍子抜けしてしまうかも知れない。街角にある凄くおいしい料理屋さん、という感じでグランメゾンではないので。

サービスは非常にフレンドリーで、仏語英語と片言日本語(結構うまい)で対応してくれる。「英語より日本語のほうが得意なんですよ」とか言っているし(そんなことないと思うが)。「洗練された親しみやすさ」とでも言うべきか、食べていて楽しい気分にさせてくれるのはさすが。

Arpege
84,rue de Varenne 75007 Paris
http://www.alain-passard.com/