RADICAL CHANGES 2009
先週末からインドネシアのジョクジャカルタで開催されていた"RADICAL CHANGES 2009"に参加して来た。と書くともっともらしいが、実は大学の研究室合宿をインドネシアまで行ってやってきた。某コンテストで優勝したときに頂いた賞金を充当したので、国内合宿なみの参加費負担で実現できた。インドネシアは研究室に在籍しているAdiyanmujibiya君の郷里でもあるのだが、彼と彼のご家族に大変お世話になって、すばらしい合宿が実現できた。Terima Kasih! (ありがとう!)
ジョクジャカルタ(Yogyakarta)はジャワ島中南部にある古都で、世界遺産であるボロブドゥール寺院遺跡やプランバナン寺院などでも知られている。京都と姉妹都市の関係にあるらしい。
宿泊とワークショップに使ったのはジョグジャカルタ郊外のTembi House of Cultureという施設。敷地内にコテージ風の小屋が立ち並んでいる:
敷地内には本格的なガムラン演奏の設備もあったり:
こんな伝統的な雰囲気なのに、ちゃんとインターネットもWiFiも提供されている。ここまでたどり着くのは相当に大変ではあるが、とてもおすすめのホテルです。
今回の合宿のテーマは、タイトルにもあるように「近未来に起きるであろう大きな変化(= radical changes)について考えよう」というものである。この曖昧お題に対して何をプレゼンするかは各参加者の自由というかなりゆるい感じの設定にしたのだが、皆が持ってくる話題はどれも面白く、私自身も大変勉強になった。だいたい以下のような感じのトピックについて議論したのだが、雰囲気は伝わるだろうか:
- 超個人化、個人レベルでのDNA解析サービスとその影響
- 未来の移動手段、運転の自動化
- 50年後のスポーツ
- スマートソイル
- パーソナルサプリメント
- 同性愛とソーシャルネット
- 水産業の未来
- 航空宇宙産業の未来
- マイクロ労働
- 独立自立起動
- 人間のモジュール化
- インドネシア文化
- 未来のPCパーツ
- 美容整形
- 動物との会話
- マイクロファイナンス、ソーシャルビジネス
- ゲーム(センター)の未来
私たちの研究室は、ヒューマンコンピュータインタラクションやユビキタスコンピューティングの研究をやっていることになっているが、ややもすると研究が近視眼的になりがちである、と普段から感じていた。(=同業研究コミュニティの中だけに発想が閉じてしまったり、世の中で起きかけている本当に重要な変化に気づかなかったり...)ので、今回のような少し引いた視点から世の中の変化をさぐってみるのは大変刺激的だったし、新しいアイデアもいくつか出て来たのは収穫だった。もちろん観光もそれなりにしたので、ワークショップの時間が深夜にずれこんでしまったりと、体力的には相当ハードだったのだが。*1
プレゼン会場は宿泊にも使った大部屋で、ベッドの天蓋を即席プロジェクタースクリーンに仕立て上げたりして手作り感覚:
ちなみに今回はプロジェクターも自前で持って行った。BenQ GP1(以下)という、LEDランプ使用のもので重さは640g、旅行にも携行可能な重量・サイズである。明るさは100ルーメンながら部屋を多少暗めにすれば充分実用になる。これからはどこでもワークショップの時代かも。