e-Taxへの提言

e-Tax (国税電子申告・納税システムhttp://www.e-tax.nta.go.jp/は難しいという評判が定着して、みな恐れをなして使わなくなってしまっている。使うのは税理士などのプロに任せている場合がほとんどではないか。申告書をWebのインタフェースで作成し、それを印刷して郵送している場合が実態としては多いと思うが、せっかく電子情報として作ったものをわざわざ紙に印刷し、物理的に送り、それを税務署側でまた電子情報に打ち込み直していることになる。壮大な無駄である。もちろんそのコストは国民の税負担に反映されている。

ただ、申告書の作成インタフェースそのものは別に難しいわけではない。最後の電子申請するところに複雑さが集約されている。現状のe-Taxでは、電子証明書を利用したきわめて「セキュア」な申請を実現しているが、それにはまず住基カードを取得しなければならない。つまり区役所に出向かなければならない。その証明書は3年ごとに失効するのでその度に区役所に出向く必要がある。住基カード用のリーダーのような余計なハードも必要になる。電子証明書の扱いの制約のため、e-Taxが可能なのはWindowsのみ(MacOSLinuxでは不可能、タブレットスマホはもちろんNG)となっている。

住基カードには2種類のパスワードがあってとっさにどちらを要求されているのかがわかりにくい。しかも一定回数間違えるとパスワードロックされてしまう。その場合、また区役所に出向かなければならない(というか私は行きました..)。恐ろしい。

e-Taxそのものにもパスワードがあるので、電子申請に関して、住基カード関係の2種類と、e-Taxのパスワードの3種類があって不必要に複雑である。なぜかe-Taxではパスワードのことを暗証番号と言う(以下)ので、さらにわかりにくくなっている。日本語では「番号」というと英字は含まず、「桁数」も英字に対しては言わないと思うのだが。

それはともかくとして、考えてみれば、紙に印刷した状態の申請書は単に税務署に郵送しているわけで、書留にすら通常はしない。そのレベルのセキュリティでよければ、Webで作成した申告データをそのままアップロードするだけでいいのではないか。どうしてもセキュリティがどうのと言いたければ、納税者が自分で選択できるようにすればいいだろう。Webアップロードか、電子証明を介した送信かを選択できるようにすればだれからも文句はでないと思うがどうだろうか。

もう一歩踏み込んでいえば、オープンガバメントとして、確定申告用のAPIを公開してくれれば、きっと誰かがタブレット用のアプリとかを作ってくるだろう..