水耕栽培でハーブ育成

SonyCSLで光合成を研究している吉田かおるさんに感化されて、水耕栽培ハイポニカ)を家でも始めてみた。

ハイポニカというのは水(気)耕栽培手法の一種で、常にポンプで水を還流させて植物を育成するのが特徴らしい。土は一切使用しない。農業用の大掛かりな装置もあるのだが、家庭向けに「ホームハイポニカ」という、装置と液肥など必要なものが一式入ったセットが販売されている。*1 全体が2層構造になっていて、下の水槽からポンプで水を栽培槽に上げて、また水槽に戻すようになっている。栽培槽に水が送られるときに、空気穴から酸素が水に混ざるようになっている。水には養分(液肥)をごくわずか入れている。

種はキットに添付のもあるのだが、別途いろいろ買って実験してみている。ルッコラ・バジル・ミント・カモミール、レモンヴァーム・ラヴェンダーなど。とりあえず食べられるもの優先。

最初はいきなりこの装置ではなく、水を含ませたスポンジの培地に種を撒いていく。捲くというよりマウントすると言ったほうが合っているかも。土をまったく使わないので、作業的にも「園芸」的な雰囲気はゼロで、液肥の希釈もピペットを使ったりと、何だか理科実験をしているよう。

この状態で暗いところで湿度と温度を保ってあげると、数日後に発芽する:

この後、何日か日光をあててから、装置にスポンジごと設置していく:

写真のように、最初は何だか非常に心もとない感じに見えるが、この約一ヶ月後には、なんと!



こんな感じにもりもりと育つ(8月2日)。この間やるべきメンテは、ときどき液肥を補充するだけ。成長が早く、バジルなど、もはや取っても取ってもすぐ補充されてしまう状況で、実際、上の写真の4日後(8月6日)には



のようになり、さらに密度が増しているのがわかると思う。「土栽培の三倍のスピードで育つ」そうです。

収穫物でフレッシュハーブティーを淹れてみたり、サラダに使ってみたり(トマトは市販品*2 ) バジルの濃厚な香りがたまらない。


しかし、何で光とCO2と水だけから、こんな驚異的なスピードでおいしいものが物質化するのだろうか?いまさらではあるが植物ってすごいな、と。


以上、夏休み自由研究モードでした。

追記

この数日の猛暑で、成長スピードがいよいよ増してきて、24時間で変化がはっきりとわかるようになってきた。同時に水の消費量も急増している。どうなるんだろう。土栽培の場合、根の成長が土の状態で抑えられてしまうのだが、理想的状態では指数的に成長するということなのか...特異点 *3 は近いのかも。我が家がハーブに飲み込まれる日も遠くない。

*1:http://www.kyowajpn.co.jp/HP/HHP1.htm

*2:一ヶ月遅れでトマトの水耕栽培も開始したので、いずれはトマトも自家製で...

*3:ポスト・ヒューマン誕生 コンピュータが人類の知性を超えるとき