UIST2007 Day1
今年のUIST (ACM Symposium on User Interface and Software Technology)はロードアイランドのニューポートで開催している。ニューポートはボストンから70マイルほどのところにある瀟洒なリゾート地で、ホテルの周りには小奇麗な家(別荘?)やらショップやらが立ち並んでいる。今回で20周年であり、それを記念するイベントも盛り込まれている。
今年の論文競争率は 33件採録 / 195件投稿 の16%。
UIST2.0
20周年を記念して、いくつか特別な企画があった。まず、配布されたDVDには過去の全プロシーディングスが収録されている。また、会場にはズーミングインタフェースを使って過去の論文にアクセスできるZUISTというシステムがデモされていた:
これは便利!過去のプロシーディングスを(ハードコピーしかない時代も含めて)強引にすべて画像として保存しているそうで、非常に反応が早い。指の認識はSmartBoardを使っている。研究室に一台ほしい。
また、過去掲載論文をサイテーション(論文の引用)回数でランキングした結果も会場に貼り出されていた:
またもや典型的なべき分布だが、なんと"pick-and-drop"が歴代2位! よく見るとNaviCam論文("The world through the computer...")も7位にランクインしている。
1日目の論文
Multi-User Interaction using Handheld Projectors
Xiang Cao/University of Toronto, Clifton Forlines/Mitsubishi Electric Research Labs & University of Toronto, Ravin Balakrishnan/University of Toronto
ハンドヘルドプロジェクターを二人で使う場合のインタラクション。同じ場所にプロジェクションしたり、独立して作業したり、など。ハンドヘルドプロジェクターの位置・方向は外部のセンサーが計測している。
Tech Note: Hybrid Infrared and Visible Light Projection for Location Tracking
Johnny Lee/Carnegie Mellon University & Mitsubishi Electric Research Labs, Scott Hudson/Carnegie Mellon University, Paul Dietz/Mitsubishi Electric Research Labs
プロジェクターに赤外線の光源も仕込んで、目に見えないパターンを照射する。プロジェクションする対象物に光センサーが組み込まれているので、パターン照射との組み合わせで形状に合わせてプロジェクションを変化させることができる。移動する板、折りたたまれた紙、扇子(図)などの位置を認識してプロジェクションが追従する例が示されていた。
Eyepatch: Prototyping Camera-based Interaction through Examples
Dan Maynes-Aminzade, Terry Winograd/Stanford University, Takeo Igarashi/University of Tokyo
コンピュータビジョンを使ったアプリケーションを簡単に構築するための環境。Phidgetのvision版のようなもの。SIFTやテンプレートマッチングなどを使って実画像のオブジェクトを追跡する環境がインタラクティブに構築できる。本格的なシステムを組むにはまだ制限が多いが、少なくとも教育向けには有効とのこと。ソフトウェアが公開されている:
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その他いろいろありますが、mixi UISTコミュで実況されていますのでそちらも参照してください: